第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分 第18回「ビタミンD」

ビタミンとは、体内で合成できない微量栄養素のことをいいます。ビタミンDは、皮膚に紫外線があたると、コレステロールを原料として皮膚内で合成することができますが、体内合成量だけでは絶対に不足するので、ビタミン群に加えられています。

腸からのカルシウムの吸収を高めるのに必須の成分で、骨を丈夫にする役割を持っています。その骨にも作用して、血液中のカルシウム濃度を維持します。魚介類に多く含まれ、さけ、ます、にしん、うなぎ、からすみ、しらす干し、イクラなどに多いと思ってください。高齢化社会の進行に伴い、骨粗しょう症の予防が重要になっていますので、ビタミンDをサプリメントで摂取している人が増えています。

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種です。脂溶性というのは「油に溶ける」という意味ですが、これは体内で貯蔵できるということを意味しています。人体では、主に肝臓に貯蔵されています。肝臓から放出されたビタミンDは、腎臓で活性化され、全身のいろいろな細胞に作用します。この「作用」はいろいろ研究されており、免疫力を高める、ガンを予防する、動脈硬化を予防するなどいろいろな研究報告がありますが、どの報告を信じていいのかよくわかりません。

体内で貯蔵できる成分の場合は、サプリメントなどで摂りすぎた場合の過剰症を念頭に置かなければいけません。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を高め、また、骨からのカルシウムの血中への動員を行いますので、ビタミンDが過剰になると、血液中のカルシムが増えすぎて、肝臓や腎臓、その他の臓器へのカルシウム沈着と、神経反応の過敏や不調をもたらします。

具体的には、肝機能障害、腎障害、尿路結石、易刺激性(不機嫌)、腹痛、発熱、発疹、かゆみ、吐き気または嘔吐、食欲不振、便秘、虚弱、疲労感、睡眠障害、歩行困難、体重減少、貧血、脱毛、けいれん、昏睡などです。

要するに、「サプリメントでカルシウムを摂っている人で、どこがどうというわけではないが体調が悪い」となれば、カルシウム過剰症を一応考えます。

1㎍=40IUという単位設定になっており、250㎍=10000IU以上の摂取までは過剰症のリスクは低いと考えられていますが、長期摂取している人は、過剰症を念頭に置くようにしてください。

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第4栄養素となる成分 第18回「リコピン」

トマトの赤身の成分として、「リコピン」が話題になることが増えました。三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)以外で、健康に好影響を与える成分を総称して、第4栄養素と名付けていますので、リコピンは、第4栄養素の一つということになります。

リコピンは、カロチノイド色素の一種です。皆さんは、カロチノイドやフラボノイドなどの難しい単語をよく耳にされると思いますが、これらは植物などの赤や緑、黄、紫などの天然色素の成分だと思ってください。名前が異なるのは、化合物の基本骨格が異なるだけのことです。カロチノイド、フラボノイド、カロテン、テルペノイド、カルコン、ポリフェノールなどの名前を聞いたら、「ああ、天然色素の成分の一種のことね」くらいの認識で十分です。

これら天然色素は、人体内で抗酸化作用を有します。健康管理学的には、

  • 酸化≒老化
  • 酸化≒動脈硬化
  • 酸化≒活性酸素障害≒発ガン
  • 酸化≒紫外線障害≒シミ

とされていますので、それらを防止する成分と思ってくださればいいと思います。

リコピンは、1日に15㎎以上摂れば有効とされています。15㎎以上というのは、トマト大玉2個分になりますが、トマトジュースでいえば、160ml缶1本で十分です。

トマトジュースを飲む機会が増えそうですね。

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第4栄養素となる成分 第17回「カテキン」

寿司を食べた時の食後に、「あがり」という濃いお茶が出てきます。これはまさに、生活の知恵です。食中毒を起こすいくつかの菌に対して、緑茶の成分が殺菌作用を持っているのです。

その成分がカテキンといわれるもので、渋みの元のタンニンの主成分です。カテキンが重合してタンニンになります。カテキンは、茶葉の総重量の約20%を占めますが、紅茶においては、発酵過程で別成分に変化してしまいます。日本の緑茶独特の成分と理解してよさそうです。

カテキンには実際の薬理作用が認められ、大量に摂取すると肝障害を発症するリスクが知られています。薬理作用としては、血圧、コレステロール、血糖値など、生活習慣病のほぼすべてに予防効果が認められています。脂肪分解系の酵素を増強する可能性も報告されており、ダイエット効果もあるとされています。

また、抗菌作用はよく知られており、食中毒の防止、虫歯の予防に一定の効果を認めます。

しかし、第4栄養素として最も注目したいのは、各種のウイルスが人体の粘膜に付着するのを防止する作用です。会社の中で風邪を引いている人がいる時には、社員全員で濃い緑茶をすするのが最大の利用方法のように思います。

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第4栄養素となる成分 第16回「カプサイシン」

唐辛子の辛みの主成分が、カプサイシンです。図のような構造をしています。

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「辛い」というのは、神経への刺激としては、痛覚の刺激に相当します。つまり、舌、喉、食道、胃に痛みを引き起こす成分であるといえます。この痛みを我々は、「辛い」と感じているのです。

日頃の食事での摂取量なら、舌への痛みの刺激は脳に伝達され、その脳からの指令により、副腎からのアドレナリン分泌が促進されます。アドレナリンというのは、「闘う」という気分の時に分泌されるホルモンで、発汗、および心悸亢進作用をもたらします。また、脂肪分解酵素の活性を高め、脂肪燃焼を進めます。少量の摂取なら、ダイエットに有効といえるかもしれません。

昔から、カプサイシンを注射で皮下に大量投与すると、内臓感覚神経(内臓の状態を中枢に伝える神経)が破壊されますので、動物実験で利用されることがありました。カプサイシンは、少量なら痛みの刺激を与えますが、大量だと痛みを感知する神経の感受性を破壊することがあります。破壊された以後は、痛みを感じなくなります。このことを利用して、局所の痛みの治療薬にしようという研究がなされています。

胃への刺激が、発ガンと関係するかどうかが気になります。唐辛子を大量に摂取するメキシコの研究では、多量摂取者は、少量接種者の1.7倍の発ガン率があったとのことです。

なお、ごま油に唐辛子を加えてエキス抽出したものが、ラー油です。

 

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第4栄養素となる成分 第15回「ビタミンB6」

タンパク質は、大量のアミノ酸がつながってできています。このままでは分子が大きすぎるため、一度バラバラにされて小腸から体内に吸収されていきます。アミノ酸は体中を巡り、細胞に取り込まれた後自分の遺伝子に応じて、再び他のアミノ酸とつながっていきます。

この分解と合成になくてはならないのが、ビタミンB6です。アミノ酸をバラバラにする酵素の役割。遺伝子に沿って別のアミノ酸に組み替える酵素を助ける補酵素の役割。さらに、体内で余ったアミノ酸をエネルギーへと変える働きもあります。

このように、タンパク質の代謝には欠かせない栄養素ですので、摂取するタンパク質量に応じた分量が必要になってきます。日本では食の欧米化が進んで肉をよく食べるようになって、ビタミンB6の働きも注目されるようになりました。

ビタミンB6が不足してアミノ酸の代謝がうまくいかなくなると、体中様々な不都合がおきてきますが、皮膚と粘膜には直撃です。皮膚炎、口角炎、舌炎、口内炎、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎、それに吹き出物ものやニキビができやすくなります。

神経に関わる症状もたくさんあります。痙攣、しびれ、倦怠感、食欲不振、不眠、情緒不安定…。ドーパミンなど神経伝達物質の合成時にはアミノ酸が使われますが、ビタミンB6が不足しているとこの代謝がうまくいかなくなり、中枢神経が異常をきたすためです。

不安を掻き立ててしまいましたが、ビタミンB6は腸内細菌によって少量ではありますが、私たちの体内でもつくられて、一般的には不足しにくいそうです。ただし、女性は月経前の排卵期になると血中ビタミンB6濃度が著しく低下し、イライラや吐き気、頭痛やだるさなどの一因であることがわかっています。つわりの一因としても指摘されています。

たくさん含まれる食べ物は、牛レバーやマグロ、カツオそれからニンニクなどがあります。「レバーにニンニク。魚も食べない」とため息をついてしまった方に、とっておきのB6食品があります。それは、バナナです。大きめのバナナを2本食べると、1日に必要な推奨量(1.4mg)を摂ることができるそうです。

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