第4栄養素となる成分

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第4栄養素となる成分 第35回「DHA(ドコサヘキサエン酸)」

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、EPAとともに魚油に多く含まれる成分です。特に、いか、さば、まぐろに多く含まれています。

植物性脂肪でも、シソ油、エゴマ油、アマニ油の3種類はα-リノレン酸を多く含み、それを摂取すると、体内の長鎖化の化学反応により、EPAを経てDHAが生成されます(図参照)。

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人体内では通常この反応が進みますので、血液中のDHA濃度を高めたい場合は、α-リノレン酸やEPAを摂取すればいいことになります。もちろんDHAそのものを摂取しても有効です。

摂取したDHA、あるいは体内でEPAから変換されたDHAは、人体内では脳や網膜に移行されるので、その両者に多く含まれています。

ラットを用いた実験では、DHAを与えない食事において記憶学習能力が低下することが示されていますので、脳内のDHA量と記憶学習能力に関係があることが示唆されています。

また、サルを用いた実験では、光刺激を与えた後の暗さに対する反応にDHAが利用されることが示唆されています。つまり、明るいところから暗い所に移動した時、網膜の細胞がその暗さに適応する瞬間に、DHAが関与しているということです。

脳と眼に好影響を与えますので、特に現代的には、前駆物質であるEPAやこのDHAそのものを、積極的に摂取することは有意義だと思います。

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第4栄養素となる成分 第34回「コラーゲン」

第4栄養素の本シリーズでは、三大栄養素に次ぐ栄養成分をまとめています。コラーゲンは、アミノ酸がつながったタンパク質であり、厳密な定義による第4栄養素ではありません。しかし、日常生活に浸透した用語となっていますので、広義の第4栄養素と定義して、解説させていただきます。

コラーゲンは、アミノ酸がつながった細い紐状の構造をしています。紐になっていますので、それらを縫い合わせることによって布状になることもできます。身体を覆う皮膚の中心部分である真皮は、このコラーゲンが布状に紡がれてできています。

ウシやブタ、ヒツジなどの家畜の真皮は、ハンドバッグやベルトなどの革製品へと加工されます。だから、皮製品はアミノ酸でできていることになります。

真皮だけでなく、人体を構成するタンパク質のうち、靭帯、腱、骨、軟骨などは、コラーゲンでできています。人体のタンパク質の約30%はコラーゲンです。

コラーゲンは、アミノ酸の細長い紐の1本ずつが、3本重なってらせん構造を作って形状的に丈夫になっています。このコラーゲンが、真皮、腱、骨、軟骨などの原料になっているのです。アミノ酸成分としては、グリシンが3分の1、プロリンが5分の1で、この両者の割合がやたらと多いのが特徴です。

コラーゲンを摂取すると、腸の中で完全に分解されて、ばらばらのアミノ酸になって吸収されます。だから、コラーゲンを摂取するというのは、グリシンとプロリンをたくさん摂取していることになります。この両者は体内に入ったら、真皮、腱、靭帯、骨、軟骨の原料となります。体内で原料不足になっている人が経口摂取で補えば、一定の効果が現れるのは理解できると思います。

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第4栄養素となる成分 第33回「食物繊維」

ブドウ糖や果糖などの糖分子は、人体にとって重要な栄養源ですが、ある特殊な結合をすると人体内で消化することができなくなります。そのようなものを、食物繊維といいます。

通常的に表現すれば、「人の消化酵素で消化されない、食品中の難消化性成分の総体」ということになります。

米、麦などの穀類、イモ類、豆類、木の実、キノコ類、野菜に多く含まれており、魚類、貝類、肉類、乳製品には、まったくといっていいほど含まれていません。

食物繊維は、食道、胃、十二指腸、小腸を素通りして、大腸にたどり着きます。大腸では水分を引き込んで膨張しますので、便秘の人にはある程度の効果をもたらします。また、大腸内では、腸内細菌に分解されてガスを発生します。そのガスが大腸運動を高めるので、腸の健康保持には重要な成分ということになります。

食物繊維は、摂取後、しばらく胃にとどまって膨張します。この時に軽い満腹感を作り出します。また、ゆっくりと十二指腸に送り込まれますので、食物中の炭水化物の消化吸収を遅らせ、血糖の急上昇を抑えることができます。以上の2点から、使いようによっては、ダイエットや糖尿病予防に効果的です。

昼食や夕食の少し前に多めの野菜を食べておくと、腹八分目の健康管理には有用かもしれません。ただし、ドレッシングのカロリーには気を遣ってほしいものです。

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第4栄養素となる成分 第32回「カフェイン」

カフェインは、コーヒーやお茶などの飲料物に含まれていますので、よく知られています。カフェインは、中枢神経系、心臓、筋肉、腎臓に働きかけ、眠気や疲労感を軽減させ、集中力を高め、利尿作用を発揮し、刺激に対する反応時間や運動能力を向上させますが、現時点ではドーピング薬物には指定されていません(過去は、ドーピングの指定を受けていました)。

カフェインは日常的に摂取されていますが、依存性(=身体が本能的に欲するようになる)や耐性(その効果がなくなってくる)があるだけでなく、一気に10g以上摂取すると中毒死することもありますので、正確な知識を得ておく必要があります。

カフェインには、脳血管収縮作用があります。だから、カフェインを連日235㎎(豆からの抽出コーヒー2~3杯に相当)以上摂取している人がある日突然コーヒーを飲むことをやめると、脳血管拡張に伴う頭痛を感じることがあります。「朝起きてしばらくすると頭痛を感じる。でも、コーヒーを飲むと頭痛が治る」という人は、それが原因です。

カフェインの取り過ぎで、不眠症を招くことはよく知られています。また、胃酸分泌促進作用があり、「胃がむかむかする」「胃潰瘍が悪化する」なども生じます。

そういうわけで、成人では、カフェインは1日に400㎎以上摂取するべきではないと思うのがいいです。できれば、200㎎以下が望ましいです。

参考までに、カフェイン200㎎に相当する飲料を掲載しておきます。

  • 豆から抽出したコーヒーなら、500㏄
  • インスタントコーヒーなら、700㏄
  • 紅茶なら、1100㏄
  • 緑茶なら、1100㏄

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第4栄養素となる成分 第31回「ビタミンE」

最近、健康関連で「酸化ストレス」という単語をよく聞きます。酸化の影響で「さびる」などと表現されますが、一体どういうことなのでしょうか。

「酸化ストレス」とは、一言で言えば、「過剰酸素が体内で余計な化学反応を起こさせる」ということで、その結果、細胞膜と核酸に障害が発生します。過剰酸素が原因ですから、激しく運動するスポーツ選手は、酸化ストレスを強く受けているわけで、だから、平均寿命が短いといわれています。

細胞膜は、脂質二重膜という脂肪の膜でできています。ちょうど水玉を脂肪の膜で覆っているのが一つ一つの細胞という感じです。この脂肪膜に障害が発生すると、炎症的な状況が生まれます。障害を発生させる大きな原因が活性酸素で、それが膜の中に過酸化脂質を作り出し、炎症を惹起します。血管内皮細胞でその炎症が発生すると、動脈硬化が促進されます。

細胞の核の中に収められているDNAは、核酸でできています。核酸も酸化ストレスで障害を受けると、突然変異を起こし、ガンの原因となります。

つまり、酸化ストレスが、動脈硬化とガンの一員になっているというわけで、酸化ストレスを抑える栄養成分は「抗酸化作用を持つ」といわれ、自動的に「健康にいい」ということになります。

酸化ストレスを抑える代表が、ビタミンEです。ビタミンEはアブラの中に溶け込みますから、日常生活では、自然にかなりの量を摂取できています。特に多い食品は、アーモンドです。不足すると、手足の冷えなどが発生します。

不足することや過剰になることは滅多にありませんが、アブラを摂取しないやせ型の人は不足してもおかしくないので、手足の冷えで悩んでいる人は、試しに、ビタミンEを多めに摂ってみるといいかもしれません。

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