第4栄養素となる成分

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第4栄養素となる成分 第17回「カテキン」

寿司を食べた時の食後に、「あがり」という濃いお茶が出てきます。これはまさに、生活の知恵です。食中毒を起こすいくつかの菌に対して、緑茶の成分が殺菌作用を持っているのです。

その成分がカテキンといわれるもので、渋みの元のタンニンの主成分です。カテキンが重合してタンニンになります。カテキンは、茶葉の総重量の約20%を占めますが、紅茶においては、発酵過程で別成分に変化してしまいます。日本の緑茶独特の成分と理解してよさそうです。

カテキンには実際の薬理作用が認められ、大量に摂取すると肝障害を発症するリスクが知られています。薬理作用としては、血圧、コレステロール、血糖値など、生活習慣病のほぼすべてに予防効果が認められています。脂肪分解系の酵素を増強する可能性も報告されており、ダイエット効果もあるとされています。

また、抗菌作用はよく知られており、食中毒の防止、虫歯の予防に一定の効果を認めます。

しかし、第4栄養素として最も注目したいのは、各種のウイルスが人体の粘膜に付着するのを防止する作用です。会社の中で風邪を引いている人がいる時には、社員全員で濃い緑茶をすするのが最大の利用方法のように思います。

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第4栄養素となる成分 第16回「カプサイシン」

唐辛子の辛みの主成分が、カプサイシンです。図のような構造をしています。

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「辛い」というのは、神経への刺激としては、痛覚の刺激に相当します。つまり、舌、喉、食道、胃に痛みを引き起こす成分であるといえます。この痛みを我々は、「辛い」と感じているのです。

日頃の食事での摂取量なら、舌への痛みの刺激は脳に伝達され、その脳からの指令により、副腎からのアドレナリン分泌が促進されます。アドレナリンというのは、「闘う」という気分の時に分泌されるホルモンで、発汗、および心悸亢進作用をもたらします。また、脂肪分解酵素の活性を高め、脂肪燃焼を進めます。少量の摂取なら、ダイエットに有効といえるかもしれません。

昔から、カプサイシンを注射で皮下に大量投与すると、内臓感覚神経(内臓の状態を中枢に伝える神経)が破壊されますので、動物実験で利用されることがありました。カプサイシンは、少量なら痛みの刺激を与えますが、大量だと痛みを感知する神経の感受性を破壊することがあります。破壊された以後は、痛みを感じなくなります。このことを利用して、局所の痛みの治療薬にしようという研究がなされています。

胃への刺激が、発ガンと関係するかどうかが気になります。唐辛子を大量に摂取するメキシコの研究では、多量摂取者は、少量接種者の1.7倍の発ガン率があったとのことです。

なお、ごま油に唐辛子を加えてエキス抽出したものが、ラー油です。

 

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第4栄養素となる成分 第15回「ビタミンB6」

タンパク質は、大量のアミノ酸がつながってできています。このままでは分子が大きすぎるため、一度バラバラにされて小腸から体内に吸収されていきます。アミノ酸は体中を巡り、細胞に取り込まれた後自分の遺伝子に応じて、再び他のアミノ酸とつながっていきます。

この分解と合成になくてはならないのが、ビタミンB6です。アミノ酸をバラバラにする酵素の役割。遺伝子に沿って別のアミノ酸に組み替える酵素を助ける補酵素の役割。さらに、体内で余ったアミノ酸をエネルギーへと変える働きもあります。

このように、タンパク質の代謝には欠かせない栄養素ですので、摂取するタンパク質量に応じた分量が必要になってきます。日本では食の欧米化が進んで肉をよく食べるようになって、ビタミンB6の働きも注目されるようになりました。

ビタミンB6が不足してアミノ酸の代謝がうまくいかなくなると、体中様々な不都合がおきてきますが、皮膚と粘膜には直撃です。皮膚炎、口角炎、舌炎、口内炎、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎、それに吹き出物ものやニキビができやすくなります。

神経に関わる症状もたくさんあります。痙攣、しびれ、倦怠感、食欲不振、不眠、情緒不安定…。ドーパミンなど神経伝達物質の合成時にはアミノ酸が使われますが、ビタミンB6が不足しているとこの代謝がうまくいかなくなり、中枢神経が異常をきたすためです。

不安を掻き立ててしまいましたが、ビタミンB6は腸内細菌によって少量ではありますが、私たちの体内でもつくられて、一般的には不足しにくいそうです。ただし、女性は月経前の排卵期になると血中ビタミンB6濃度が著しく低下し、イライラや吐き気、頭痛やだるさなどの一因であることがわかっています。つわりの一因としても指摘されています。

たくさん含まれる食べ物は、牛レバーやマグロ、カツオそれからニンニクなどがあります。「レバーにニンニク。魚も食べない」とため息をついてしまった方に、とっておきのB6食品があります。それは、バナナです。大きめのバナナを2本食べると、1日に必要な推奨量(1.4mg)を摂ることができるそうです。

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第4栄養素となる成分 第14回「ビタミンC」

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種で、化学的には、L-アスコルビン酸といわれます。いろいろな食品に含まれているだけでなく、健康補助食品でも多く使用されています。

コラーゲンを合成する上で重要な成分であると同時に、メラニン細胞の活性を抑えますので、美肌づくりのためには欠かせないとされています。

また、健康に対する効果としては、活性酸素の除去で活躍しており、いわゆる抗酸化作用が知られています。

ここでは、日常生活において意外に知られていない重要な役割で、ニトロソアミンの合成阻害により、ガンを予防する効果に関してお話しします。

ニトロソアミンというのは、食べ合わせによって、胃の中で合成される強力な発ガン物質です。魚や肉は、消化過程でアミンが生成されます。また、ハムやソーセージ、練り物などの加工食品には、亜硝酸ナトリウムが含まれています。その他、日頃よく食べる野菜には、もともと硝酸塩が多く含まれており、それが唾液などの作用で、亜硝酸塩へと変化します。

ここで重要なのは、アミンと亜硝酸塩が胃酸の中で出会うと、ニトロソアミンが合成されるということです。ニトロソアミンは血中に入り込んで、人体内のあちこちの部位で細胞の遺伝子変異をもたらします。

肉と野菜を同時に食べると、血中のニトロソアミン濃度が高まることは証明されています。驚くほど身近に、発ガン物質の元が存在し、それが身体に悪さしていたのです。

明治期に牛肉を食べるようになった日本では、「野菜を一緒に食べないと健康に悪い」というイメージが定着し、肉と野菜を一緒に食べる食習慣があります。つまり、胃の中でニトロソアミンが合成されやすいのです。それは、日本人の食生活が欧米化して、大腸ガンが増えた原因の一つともいわれています。

ところで、ビタミンCは、胃内でのこのニトロソアミンの合成をブロックしてくれます。厳密には、ビタミンCが亜硝酸塩と素早くくっついて、アミンとの反応が進まないようにするのです。

肉と野菜が盛りだくさんな料理を食べる時は、直前にビタミンCを摂るのも一つの健康管理方法です。

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第4栄養素となる成分 第13回「カルコン」

植物に広く含まれる色素成分は、フラボノイドといわれます。このフラボノイドには4,000以上の種類が知られていますが、カルコンはその一種です。

このカルコンは、日常生活的には明日葉に多く含まれていることが知られています。明日葉の葉を割いた時に滲み出てくるやや粘り気のある黄色い液に多く含まれているのです。

もともとフラボノイドの一種ですから、強い抗酸化作用を持っています。植物は紫外線から身を守るために、このフラボノイドを細胞内で合成しているのです。抗酸化作用は細胞の突然変異の防止に関係します。だから、フラボノイドの一群は、ガン予防に関係あるとされていたり、また、免疫力を高める作用に注目されています。

そのフラボノイドの一種であるカルコンは、図のような構造骨格を有しています。

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厳密な作用メカニズムは解明されていませんが、もともとむくみの改善に効果があるといわれていたり、老廃物の排出に役立つともいわれてきました。実際に、カルコンを投与しながらエステティックの施術を行うと、部分やせを実現することができます。

さて、このカルコン。最近は、血中のアディポネクチンを増加させるということで、さらなる注目を浴びています。アディポネクチンというのは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質で、「脳細胞の糖代謝を高め、脳の機能を衰えさせない」ということで、研究が急ピッチで進んでおります。「90歳を超えてもまったくボケないで頭脳明晰の人のほとんどは、アディポネクチンが高かった」という研究データもあります。脂肪細胞から分泌されるのですが、内臓脂肪が増えると、逆に低下してしまいます。

血中のアディポネクチンを高い数値で維持するには、体重管理も重要ですが、カルコンを経口摂取するという単純な方法もありますので、覚えておいてください。