第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分 第7回「DNJ(1-デオキシノジリマイシン)」

第4栄養素の一つとして聞きなれない成分名を出しました。「桑の葉の成分」といえば、ピンとくるでしょうか。

ご飯、パン、麺などの炭水化物を食べると、唾液や膵臓から分泌されるアミラーゼという酵素が働いて、その炭水化物がどんどん分解されます。炭水化物はもともと糖の集合体ですから、分解されると、だんだんと丸裸のブドウ糖になっていくのです。ブドウ糖が2個つながっているのを二糖類、数個つながっているのをオリゴ糖といいます(ブドウ糖以外にも糖類はありますが、説明の便宜上、「ブドウ糖」とのみ記します)。

アミラーゼは炭水化物を分解しますが、実は、大きな分子である炭水化物を二糖類にまでしか分解できないのです。二糖類を単糖類へと分解するのは、小腸に存在する別の酵素で、この酵素を、「α-グルコシダーゼ」といいます。

α-グルコシダーゼが二糖類を分解して、単糖類であるブドウ糖(グルコース)を作り出し、そのブドウ糖が小腸から吸収されて、血液中に糖が現れるのです。こうして、栄養分が体内に取り入れられるのですが、これにより血糖値が上がります。
α-グルコシダーゼの作用を抑えると、二糖類が分解されなくなります。小腸は、二糖類を吸収することができないので、そのまま大腸に流れ込みます。つまり、血糖値が上がらなくなるのです。

大腸では、やはり、この二糖類を吸収することなく大腸内の細菌に分解されて、水と二酸化炭素になります。水は便を柔らかくし、二酸化炭素は大腸の運動を促進させます。つまり、便の腸内通過時間が早くなるのです。

桑成分のDNJは、このα-グルコシダーゼを抑える作用を持っています。だから、血糖値の抑制と同時に、食べた物の腸内追加時間を早め、便秘を解消する作用を持つのです。α-グルコシダーゼの作用を抑える成分は、通常は医薬品になっています(「グルコバイ」「ベースン」など)。しかし、桑は、鎌倉時代から食用・飲用として、日常生活に溶け込んでいますので、健康食品として利用できるようになっているのです。

桑葉のDNJは、ぜひとも活用したい第4栄養素です。kuwanoha

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第4栄養素となる成分 第6回「ビタミンB12」

ビタミンB12は、ビタミンB群の一種であり、ミネラルの一種であるコバルトを含んでいます。そして、ビタミンB12を多く含む錠剤は、処方箋医薬品になっています。身体への作用が大きいからです。

DNAの合成、アミノ酸やタンパク質の合成に大きく関わっており、細胞分裂の際には必須の成分となります。また、神経細胞の脂質膜の合成や修復にも関わっていますので、神経障害の際の治療薬としても利用されます。

細胞分裂に関わるということは、精子の合成能力に関係します。

男性の精子濃度が薄いために夫婦が不妊になっている場合、その夫への治療薬として、ビタミンB12を投与することもあります。

このビタミン12は、肝臓の中にかなりの量のストックがありますので、不足する人はあまりいませんが、胃の手術をした場合は、ビタミンB12の吸収が低下することがありますので要注意です。尚、不足した場合は、舌炎や全身倦怠感、貧血、睡眠失調だけでなく、物忘れ、集中力の低下、手足のしびれをもたらすこともあります。

健常人に多く投与した場合、動脈硬化予防、集中力や記憶力の向上、性能力の回復がみられます。また、子供に投与すると、背の伸び率が高まります。

動脈硬化の予防に関しては、動脈硬化促進因子であるホモシステインを低下させる作用が関与しています。集中力や記憶力の向上は、神経細胞の合成修復、あるいは、記憶の本体であるシナプスの形成促進が関与しています。性能力の回復、背の伸びに関しては、細胞分裂が関与しています。作用のメカニズムとして、神経細胞の合成修復と細胞分裂促進を覚えておけばいいでしょう。

食品では、レバーや貝類、海苔に多く含まれている成分です。

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第4栄養素となる成分 第5回「テアニン」

テアニンにつきまして、今回は、四谷メディカルクリニックの風本医師のお話です。

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私がまだ、中学2年生の頃。勉強に猛烈に励み出して、成績をグングン上げていた頃のお話です。

いつも家の台所にあった「玉露」を濃い目に抽出して飲んでいました。玉露を飲むと、妙に勉強に集中できて、記憶力が高まることに気づいていたのです。

プライベートドクターシステムを運営し始めた頃、経営者の多くが、いつも精神的に強い緊張状態にあることを知りました。多くの人が、睡眠薬や安定剤を常用しています。その姿を見ながら、安定剤に頼るより濃い緑茶を飲むのがいいですよ、とアドバイスしていたものです。

玉露などの濃い緑茶のことはいつも気にかかっていました。そんな矢先に、ある論文を目にしました。緑茶の成分であるテアニンに関する論文だったのです。テアニンを摂取して脳波のα波の変化を追うと、テアニンがリラックス効果と集中力向上効果をもたらしている、という論文です。私は、瞬間的に理解できました。「その効果に間違いはない。私の経験が物語っている」と。尚、リラックスと集中は、いろいろな研究で表裏一体であることがわかっています。

そこで、加齢に伴う記憶力の低下の防止、緊張状態での精神安定効果、集中力向上による若者の学力向上を目論んで、「イチョウ葉&テアニン」というサプリメントを考案しました。元が緑茶ですから、安定剤などの医薬品とは異なり、イメージがとても良いのが特徴です。

このサプリメントは、ストレスや家庭環境の問題で背の伸びが低下している子供に投与すると背の伸びが回復しますので、背を伸ばす医療にも応用されています。精神的な問題があっても、身体にマイナスに影響しないように取り計らう効果があるのです。摂取した子供は、学校の成績も上がります。

テアニンは、今のストレス社会、高齢化社会、少子化社会において、幅広い使い道があるのです。

第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分 第4回「β(ベータ)グルカン」

「炭水化物は分解されると、糖になる」といわれています。つまり、糖が多数つながって炭水化物になっているのです。糖にはいくつかの種類がありますが、メインは、「ブドウ糖」です。ブドウ糖は英語で、「グルコース」といいます。つまり、グルコースが多数つながって、炭水化物になるのです。

ここでもう少し詳しく話すと、厳密には、「α(アルファ)結合」というつながり方で、炭水化物になるのです。

また、β(ベータ)結合というつながり方もあります。このつながり方をすると、人体は、腸内で自力消化することができません。消化されずに、便として排出されます。α結合の場合は自力消化できるので、吸収されて人体の栄養源になるのです。

「α結合→吸収される、β結合→吸収されない」ということです。

糖がβ結合して一直線になったものが、繊維質です。植物の細胞壁に多く含まれており、通常は、セルロースといわれます。β結合の中でも、一直線になるために厳密には、β1-4結合をしなければいけません。つまり、植物繊維というのは、そのメインが「セルロース」であって、これは、グルコースがβ1-4結合したものなのです。

グルコースは、β1-3結合というつながり方をすることもあります。この場合は一直線にならず、くねくねと曲がりくねります。一般的に「βグルカン」といわれるのは、このグルコースがβ1-3結合したもののことです。β結合ですから、腸からは吸収されません。

しかし、βグルカンは、多くの研究で腸内の免疫系に作用して、身体全体の免疫力を高める刺激をすることが知られています。つまり、βグルカンは、腸内を通過しながら、人体の免疫力向上に役立つのです。特に、口内炎や歯周病の予防と治療に効果的です。

ガンに対するほどの効果があるかどうかは不明ですが、アガリクスキノコなどのβグルカンを多く含むキノコ類が、「ガンに効いた」などの体験談は多くあるようです。

βグルカンは吸収されませんが、人体に害を与えることはなく、腸内から免疫力向上の刺激を与えてくれるので、紛れもなく、人体に好影響を与える第4栄養素と位置付けることができるのです。

第4栄養素となる成分

第4栄養素となる成分 第3回「亜鉛」

亜鉛といえば、インスリンの合成や精力維持に重要なミネラルと思っている人が多いようです。少し詳しい人は、不足すると、味覚障害、妊娠異常、免疫力低下、脱毛が生じるということをご存じかと思います。しかし、実は、そのようなレベルとは比較にならない、もっと重大なことがあるのです。

学校の運動場では、中学生や高校生が激しく運動をしています。汗まみれになって、ファイトいっぱいで運動している子供の姿を見ると、ふと、「亜鉛は大丈夫かな?欠乏していないかな??」と心配になります。

亜鉛は、人体に必須のミネラルの一種ですが、200種もの酵素の構成成分となり、タンパク質の合成に必須で、また、リン酸エステルの加水分解酵素に関与しているため、細胞分裂の際には欠かせない成分なのです。

タンパク質合成に欠かせない、そして、細胞分裂にも欠かせない、ということは、子供の身体の発育に大きく関与するということです。従って、亜鉛が不足すると、成長障害が発生し、背の伸びが悪くなります。

ところで、この亜鉛は、汗の中に多量に排出されます。人体には、2gの亜鉛がストックされていますが、毎日、汗まみれになって運動すると、体内不足が生じます。食事で摂取するには、牡蠣やレバーが有効ですが、それをたくさん食べる子供はなかなかいません。

また、加工食品に多く含まれるフィチン酸は、亜鉛の吸収障害をもたらします。その加工食品の摂取量が増えているのも、現世の実情です。

ハードに運動している子供で、背の伸びが悪い場合は、「もしかして亜鉛不足では?」と疑う気持ちが必要です。