【第8回】平成医療改革31年史

院内感染 新型コロナの流行で、病院に行く人が減ったとのことです。「病院が感染源として危ない」と認識されたからでしょう。そんな認識が広がって来院する人が減るというなら、「今まで何の必要性があって病院に行っていたのか」とう疑問がわいてきますが、さしあたり、いつももらっている薬さえあればいい、と思っていた人が多かったという事を示しています。病院には病気の人がたくさん訪れています。インフルエンザなどの感染 […]

【第7回】平成医療改革31年史

平成の時代は、医薬分業が進んだ時代でもありました。医師と薬剤師に関して、「医師は医学に精通し、薬物療法にも熟達している。しかし、薬同士の相互作用や限界投与量などに関しては薬剤師ほど詳しくはない。だから、医療は医師と薬剤師を両輪として成り立つ」とされています。しかし、平成初期の頃、薬剤師は、医師が交付した処方せん通りに医薬品を調剤するだけの作業員に過ぎませんでした。 「薬漬け」の時代 私が四谷メディ […]

【第6回】平成医療改革31年史

ある手術中のできごと 私が医学部生の時、腎臓ガンの患者から腎臓を摘出する手術を見学する機会がありました。麻酔科医とオペ室看護師が見守る中、3人の執刀医が現れました。一人は大学医学部で講師の肩書を持つ40歳代後半の医師で、もう一人が6年目の医師、もう一人が1年目の医師でした。腎臓ガンの手術は泌尿科に属します。執刀するメインの医師は講師の肩書を持つ医師ではなく、6年目の医師でした。その医師に対して補助 […]

【第5回】平成医療改革31年史

平成初期の頃、厚生労働省は健康保険制度を通じて、日本中の医療機関を統制するしかないのが現状でした。平成時代に行われた改革は、医療社会全体を厚労省の指導下に組み込むことを狙った諸改革といっても過言ではありません。新人医師の臨床研修システム、かかりつけ医・地域医療支援病院のシステムなど、いくつかの改革は緒に就きましたが、成果が表れるのはまだまだ先です。 悲しい医療社会の現実 厚労省からの医療機関に対す […]

【第4回】平成医療改革31年史

新しい治療技術が日本で誕生しないわけ 平成初期に日本の医療社会に導入された新しい治療技術として、腹腔鏡下での胆のう摘出術があります。開腹しないで胆嚢を摘出してしまうのです。新しい治療技術は、日本では滅多に生まれません。国民皆保険の国だからです。医療機関は、原則的に健康保険で認められた治療しか行うことができず、その健康保険が適応されるかどうかは、厚生労働省が決めています。治療方法として、一定の確実性 […]

【第3回】平成医療改革31年史

もしも、一から医療サービスを構築するとしたら・・・ ある一つのほどよい国土面積を有する国があったとします。国民の識字率は高く、人々は理性的で勤勉です。その国の経済は、ある程度発展しています。しかし、驚いたことにその国には、科学的な医療サービスがまったく存在していません。軽い病気になったら、伝承的な薬草を使った治療を家庭内で行っているだけです。外科手術など存在せず、体表面の傷に対して薬草を塗って、そ […]

【第2回】平成医療改革31年史

都落ち? 長年、都心の大学病院に勤務し、それなりの肩書を持って、内科診療の第一線で活躍していた医師が、新任教授とそりが合わず、その教授から「地方病院に出向せよ」という命令を受けました。その医師は、教授の指示に従うのをやめて、開業しようと決断しました。そして、都心のビルの一室を借りることになりました。そのビルは大きなビルで、上層階には上場している大企業が入っています。最低限の診療機器は必要と考え、心 […]

【第1回】平成医療改革31年史

平成時代の初期の医療を覚えていますか? 「3時間待ちの3分診療」「患者のたらい回し」「医師の説明不足」「薬漬け・検査漬け」「薬害エイズ」「製薬会社の接待漬け」「患者への実験的治療」「医師への不信募る」 医療に対して、様々な不満が沸騰しておりました。昭和の時代に、その不満の元となる悪しき土壌が築かれたのです。それはなぜでしょうか。 明治維新以来の自由開業制のために、医療機関が無秩序に乱立しました。当 […]